目白から早稲田へ−堀部安兵衛と夏目漱石−

 平成2656日、幸いお天気に恵まれ、僕たちは目白駅から高田馬場経由で早稲田の漱石山房までリュックを背負って歩きました。東京のまた別の顔にふれたような気がしました。また道に迷っていると、同じ年頃の親切なご夫婦に道を教えていただいて何とか踏破することができました。でも教えてくださった奥様が「どこから来たの?」と尋ねられたので「鳥取から」と答えると「山を越えるとすぐね!」とおっしゃいました。どうやら東京では鳥取県は新潟県あたりにあるようです。
JR目白駅



まずはスタートです。何度も来たところですが普通は東側(学習院・椿山荘・乙羽・護国寺)に向かって歩きます。今回は西に向かいます。

目白聖公会



聖公会はカンタベリーの大主教を首長とする英国教会(英国聖公会)を母体とします。日本聖公会に属する教会は都内に32あって、ここはその一つです。この聖ジブリアン聖堂は1929年(昭和4年)に建立。石造りの重厚感ある建物です。

徳川ビレッジ



エリート外国人専用の高級賃貸住宅街です。5,000坪の敷地に数十戸の洋風戸建て住宅が点在しています。尾張徳川家の22代目当主が現在もお住まいです。NHKの「ぶらたもり」で紹介されました。それを見て行ってみたくなったのです。

日高屋 目白店



関東一円に支店を持つ中華のチェーン店。安くておいしい。写真は期間限定「黒酢しょう油冷麺」具が別についてきます。安くておいしい。

目白が丘教会



日本パブテストキリスト教会遠藤新(フランク・ロイド・ライトの弟子)が設計した。ライトの作品である帝国ホテルや自由学園明日館(こちら)、山邑邸の建築にかかわった。装飾などが少しアール・デコ風で、ライトの香りがする。彼が設計した「甲子園ホテル」はこちら。

旧近衛邸のケヤキ


目白通りから日立目白クラブに向かうと道路の真ん中に欅の大木が立っています。これは旧近衛邸のケヤキで、樹齢100年を越す由緒ある古木で新宿区の「地域文化財」になっています。ケヤキはお屋敷の車回しのロータリーがあったところだそうです。

日立目白クラブ


近衛公爵邸のあった地に、宮内省が学習院旧制高等科に通う男子生徒のための寄宿舎として建設したもので、当時は「昭和寮」と呼ばれていました。昭和28年から日立製作所の所有となり、日立目白クラブとなりました。隣接する別館は教会として使用されている。白い壁と赤いスペイン瓦、縦長のアーチ窓や段々状に変化をもたせたスカイライン、その先に高く伸びた煙突があります。すてきな建物です。

神田川



早稲田を流れるおなじみの神田川です。
かぐや姫の歌を思い出します。古本屋や安い飯屋、風呂屋など早稲田の学生街ですね。
面影橋


素敵な名前の橋です。江戸時代から神田川に架かる橋です。太田道灌の逸話にある山吹の里の地にあります。都電荒川線の面影橋停留所があります。

太田道灌の山吹の里伝説


七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだに無きぞ悲しき

天祖神社



西早稲田にある天照大神をお祀りする神社です。
甘泉園

新宿区立の回遊式庭園です。深い緑に囲まれ、美しい池がある庭園です。池にはオタマジャクシがいっぱいいました。入園無料で、近所の子供たちが沢山遊びに来ていました。
水稲荷神社



堀部安兵衛助太刀の場所の碑がある。元禄七年二月十一日、安兵衛は市ヶ谷から喜久井町を通り、馬場下の小倉屋(写真右)で酒をあおると高田馬場に駆けつけ、叔父の菅野六郎左衛門の果し合いに助太刀し相手方三人を切り倒した。家内が赤穂浪士が大好きなのです。

小倉屋




江戸時代から三百年以上続く酒屋さん。
延宝4年(1678)初代小倉屋半右衛門が牛込馬場下の辻で開業元禄7年(1694)堀部安兵衛が高田馬場に駆けつける際、この店に立ち寄り景気づけに升酒を飲んだと伝えられています。 





早稲田あたりは、古本屋や安い食堂、銭湯など学生向きの店が多い。街も概して庶民的で生活しやすそうなところです。猫さんも暮らしています。





漱石公園

夏目漱石は、この公園あたり(早稲田南町七番地)に明治40年(1907)9月29日から大正5年(1916)12月9日に死去するまで住み、ここを漱石山房と呼んだ。漱石終焉の地である。
「漱石山房」では十畳二間を書斎・居間兼応接室とし10年間を過ごした。知人や門下生が集まり週1回の「木曜会」が開催された。「こころ」「明暗」などの主な作品がこの書斎で書きあげられました。


また、これ以前には千駄木の猫の家明治村に移築)に3年間住んだ。

 漱石山房通り
夏目漱石胸像
漱石山房
漱石が亡くなるまで過ごした「漱石山房」の外観を再現。モダンな家です。
猫塚
漱石の没後、遺族が家で飼っていた犬、猫、小鳥の供養のために建てました

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