吹屋
2006年9月岡山県備中高梁市の吹屋(ふきや)に行った。江戸時代から明治にかけてベンガラと銅山で巨大な富を蓄えた町だ。吹屋は吉備高原の上にある。川沿いの県道から車がやっと一台通るような細い道をぐんぐん登っていくと、山の中に突然この美しい町は現れる。片田舎に財と文化の蓄積をみるという例は、愛媛県の内子にもあった。内子は鑞で財をなした町だった。

ベンガラ格子の家並みが赤い石州瓦とマッチして美しい。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。

片山邸(本家)は吹屋随一のベンガラの豪商。家の造り・豪華さは他のお屋敷を圧している。当主が文化財として寄付されたそうです。


郷土館、片山家分家

長尾家、素敵なおばあさんが「楓」という喫茶店(右の写真)をしておられる。吹屋の歴史を詳しく聞くことが出来ます。一緒に写真を撮らせて頂きました。いつまでもお元気で!

広兼邸、吹屋の町からは少し離れている。こちらはベンガラの材料になるローハ製造で富をなした。立派な石垣はまるでお城だ。右上は櫓になった門。映画「八つ墓村」の撮影に使われている。ちなみに横溝正史の小説は中国山地が舞台になっていることが多い。

銅山、銅は吹屋のあちこちで採掘されていたらしい。坑道が公開されているのはこの笹畝坑道、9月初旬の暑い日だったが中にはいるととても涼しい。一年中17℃くらいに保たれるらしい。石見銀山と同じく江戸時代は幕府の天領だった。

吹屋小学校、明治42年に建築された洋風建設。現存して活用されている木造校舎としては日本一古いものらしい。

ベンガラ館、ベンガラ製造の工程が展示されている。吹屋のベンガラは良質で、原料の生産と伴に製法も独占され、日本中に供給された。

昼食は藤森食堂で田舎蕎麦をいただきました。豆腐、ゴボウ、コンニャクなどが入り、まるでけんちん汁のようです。本当においしい田舎の蕎麦でした。

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