行き詰まったプロ野球というシステム

中井一仁(平成16年7月記)


 近鉄とオリックスの合併問題から始まったプロ野球界の混乱は、1リーグ制か2リーグ制か?球団の合併に賛成か反対か?というレベルの議論が中心になっています。しかし問題の根本は日本のプロ野球というシステムが時代に合わなくなってきていると言うところにあり、アマチュアを含めた野球機構全体の構造の見直しが求められているのだと思います。以下に主な問題点を列挙します。

1. プロ野球は企業とオーナーのものである。
 現在の球団は「企業が地域に与えたもの」です。従ってオーナーや企業の考え方でどうにでもなります。ヨーロッパのサッカーのクラブチームのように「企業の論理に左右されない、市民がつくる市民の球団」でなければなりません。地域コミュニティの核となる球団となっていくべきです。

2. プロ野球は日本だけで完結した地球の片隅のスポーツである。
 グローバル化が始まる前、日本人にとって野球は全世界でした。これ以上のスポーツはありませんでした。しかし野茂がメジャーに行き、日本でワールドカップが開催されると、日本人はもっと広い世界があることに気がついたのです。日本の野球はグローバル化する事によって大リーグのマイナー化するかもしれないと危惧する人もいます。でもそれをおそれていて閉じこもってしまえば、プロ野球の衰退を招くだけだと思います。メジャーリーグへの対峙として東アジアリーグの設立とワールドシリーズへの対峙としての東アジア選手権の設立、というようなグローバルな発想が必要です。

3. 分断化された野球の組織
 少し見直されてきたようですが、プロと高校野球は一緒に練習・指導などが出来ないと言う昔の純潔アマチュアリズムに基づいた規定がありました。また高校・大学・社会人・プロは組織も違い連携していません。つまりある選手の野球人生をみると輪切りになっており、一貫性のある選手の育成が出来ていません。サッカーでは中学生も高校生も大学生もプロもみんな混ざって試合や練習をします。そうすることによって優れた選手の育成が出来るのです。

 みなさん、もう一度考えてみましょう!「プロ野球はファンと選手と地域社会のものではないのですか?」