てんかん (epilepsy)


1)てんかんとは
 てんかんは、種々の病因に基づき、脳の神経細胞に突然一過性に過剰な電気の嵐(発作放電)が起こり、それがある範囲以上に広がっててんかん発作が生じ、しかもその発作が繰り返して起こる慢性の病気です。
2)てんかんの頻度
 一般人口の中でてんかん患者はほぼ1%、人口1000人に8人ぐらいといわれており、日本の総人口を一億二千万人とすると、約百万人の人々が何らかのてんかんを持っていることになります。
3)てんかんの発症年齢
 てんかんはどの年齢でも発症しますが、特に起こりやすいのは3歳ぐらいまでと学童期です。てんかん患者の90%は20歳までに発症しています。
4)てんかんの原因
 原因は様々です。約半数はいろいろ検討しても原因が不明の場合が多いのです。そして約四分の一が出生前後の異常であり、約八分の一が生後の外傷・脳炎や髄膜炎などによるものとされています。
 ですから、てんかんの原因は遺伝だけではなく、不明なものが多いのです。
5)てんかんの診断
 てんかんの診断に当たっては、
    1.発作がてんかん性であるのか、てんかん性ではないのか。
    2.てんかん及びてんかん発作型の分類
    3.病因に関する検討
    4.発作の誘発因子の検討
などが重要で、そのためには本人・家族・他の観察者からの話を十分に聞くこと(問診)、脳波検査、診察、検査(血液・尿検査、CTスキャン、MRIなど)を行います。
6)てんかんの治療
 てんかんの治療も、他の疾患と同様に原因療法と対症療法があります。しかしてんかんでは、65−75%が基質的な原因が不明で、また原因のはっきりしている脳腫瘍、脳血管障害、先天性代謝異常などでも、直接原因にアプローチして治療できるものは数%にすぎません。そのためどうしても対症療法が中心になります。
 発作に対しては抗てんかん薬による薬物治療が主体となります。
 抗てんかん薬の種類は主に9種類ぐらいしかありません。これらの薬を発作型によって選択していきます。発作型に対してもっとも効果がある薬物を適薬といい、その適量を維持していきます。
 薬物は長期間服用しますので、副作用は少ないとはいわれていますが、少しはみられます。そのために時々血液や尿検査などをしますが、自分勝手に副作用だと思いこんで薬を途中で中止すると、リバウンドといってかえって発作が誘発されたり、時には発作がとまらなくなることがあり危険なことがあります。
 最近医学の進歩により脳外科手術が出来るようになりました。外科手術によって発作をとめる治療の一つとして、てんかんの焦点を取り除く焦点切除術があります。てんかん焦点とはてんかん発作が起こり始める部位ですが、同時になんらかの正常の働きをしている部位でもあります。従って焦点切除術を行えば、発作はとまるかもしれませんが、何らかの機能脱落が起きることを考えねばなりません。そのために、手術により発作の改善・消失が得られ、日常生活の自立、社会生活の自立、社会生活への復帰が期待されるならば、その時初めて外科治療の可能性が生まれてくるのです。
7)てんかんの日常生活
 自分のこどもがてんかんだと分かったとき、親はこの病気から逃れたい、隠したいと思います。また、我が子を不幸にしてしまったという罪の意識から、過保護になってしまうこともあります。そのため、閉じこめてしまうこともあります。
 しかし子供は成長発達していきます。てんかんは慢性の病気でありますから、てんかんと正面から向かい合い、共に生きるという心構えが必要です。
 大切なことは、規則正しい生活を送り、確実に服薬し、発作の誘因をさけるということを守らなければなりません。
 てんかんを持つ子供の成長発達には、家族、主治医、教師など関連する人たちの協力と密接な連絡が必要です。





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