熱性けいれんに対しての考え方(ご家族の方々へ)




 お子さまの熱性けいれんをみて、大変に驚き心配されていることと思います。
 熱性けいれんとは6歳未満の小児が発熱に伴って起こすけいれん(ひきつけ)をさし、それは中枢神経系の感染症(脳炎や髄膜炎など)および他の明らかな疾患(下痢・脱水など)によらず、また以前に無熱性けいれん(てんかん発作)の既往のないものとなっております。

熱性けいれんの特徴(Q&A)
a.どの程度の頻度でみられるのでしょうか?
 子供の約8%とされております。鳥取・島根県に毎年約2万人の赤ちゃんが産まれますが、そのうちの1600人くらいもの赤ちゃんが熱性けいれんを起こす計算となります。また男児にやや多くなっております。
b.最初のけいれんは何歳頃に起こすのですか?
 生後9ヶ月から3歳頃がもっとも多く起こします。そして約半数の子が1歳代で起こしています。生後6ヶ月以前や5−6歳以後に起こすことはまれです。また何度も繰り返したり、3年以上の間隔で再発するのもまれです。
c.熱性けいれんを起こす体質は遺伝するのですか?
 約半数の熱性けいれんの子供の父母・祖父母や従兄弟に熱性けいれんを経験した人がいて、強い家族内発生を示していますが、これらの人たちのけいれんは子供のうちだけで、健康な成人になっています。人間の脳は著しく強い刺激を受けるとけいれんを起こす可能性を持っており、特に子供の脳は熱に弱くけいれんを起こしやすいのです。その程度は人によって異なっているのです。
d.何度くらいの熱でけいれんとなるのですか?
 38度以上です。半数が39度以上とされています。しかも急性の発熱で、発熱から6時間以内にけいれんとなることが多いのです。ですからけいれんを起こしてはじめて熱に気づくことも少なくないのです。どうしてけいれんするのか原因は分かっていません。しかし、発熱により一時的に何らかの脳の機能的な異常が起こるのではないかとする意見もあります。
e.けいれんの症状はどんなふうですか?
 急に眼球が上の方につり上がり(白目となる)、腕は肘で曲げて拳を肩につけるようにして小刻みにふるえ、足はピーンと突っ張って硬くなるのが一般的です。そのとき顔色は蒼白かやや紫色になることもあります。持続時間は1−2分以下(5分以内がほとんど)です。けいれんの後にもとの意識状態に戻るか、そのままグッスリ眠り込んだりします。四肢の硬直に左右差や局在性のあるけいれんや、クタッとなる脱力・無動となり意識のない発作、10分以上の長いけいれん、後で手足が動きにくく麻痺を伴うなどは極めてまれです。
f.治療を必要としない熱性けいれんはどの様なものですか?
 以下の項目がすべて当てはまる熱性けいれんはとりあえず継続的な治療を必要としないと考えられています。(単純性熱性けいれん)
 1.初めての熱のひきつけは生後1歳−6歳
 2.家族(本人の従兄弟ぐらいまで)に熱性けいれんの人がいるか、無熱性けいれんやて んかんの人はいない。
 3.知能や運動発達の遅れや、肢体不自由などが無く、しかも脳障害を起こしうるような 重い病気をしていない。
 4.けいれんの前に必ず38度以上の発熱を伴っている。
 5.けいれんは左右対称で全身性。
 6.けいれんは10分以下で終わり、後に麻痺などを残さない。
 7.脳波上てんかん性異常波を認めない。
 8.けいれんの回数は少なく(年に4−5回以内)、24時間以内に2回以上反復するこ とはない。
g.無熱性けいれん(てんかん)にどのくらいの頻度で移行するのですか?
 熱性けいれんからてんかんになる頻度は3−5%であり、一般頻度の6−8倍多く移行するとされております。
 ではどんな熱性けいれんがてんかんになりやすいのでしょうか。上記fの項目からはずれる子供をすべて治療すると、その数は熱性けいれん全体の30−40%となりあまりにも多くなってしまいます。それにてんかんへの移行がわずか3−5%であることから考えても非合理的です。そこでこの単純性熱性けいれんからはずれる子供の中から、本当に治
療した方がよいお子さんを医師はいろいろと考えたすえ決めます。さらに良性のけいれんでもご家族がけいれんの再発を強く心配し治療を望まれることも少なくありません。具体的には以下の三つの場合があります。

1.とりあえず治療は必要としないが、場合により経過を見る必要のあるお子さん。
2.発熱時、もしくはけいれん時にだけ抗けいれん剤(坐薬または飲み薬)を使用し、脳波検査を含め充分に経過を見た方がよいお子さん。
3.てんかんに移行する可能性が強く、しばらくのあいだ継続的に薬を服用する必要があり、慎重に経過を見た方がよいお子さん。

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リンク
  1. 熱性けいれんと予防接種
  2. 熱性けいれんを起こしたら


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